こんにちわ!Sop.の芳賀です。
某AltのKぼっちさんから
十分マニアックな企画になりそう・・・とつぶやきをいただいた
「合唱初心者のための解説シリーズ」第二弾です(笑)!
合唱組曲「五つの童画」
作曲:三善晃 作詩:高田敏子
今日は、
第15回演奏会で初めてこの曲を聴くみなさんも「これを知っていると楽しめる!」という2つの目のポイントを解説しまーす!
<言葉とリズム、メロディーについて>
これを語らずに、何を語らんや!というほど重大ポイントです!!
三善先生は、日本語の語感にとっても敏感でいらっしゃいます。
理由は、小さいときに病気になり、毎日母親がたくさんの本を読み聞かせしてくれたからじゃないか、と、著書で語っています。
そして、20代でフランスに留学した時に、音楽は母国語と切り離せないと強く感じた、というだけあり、
五つの童画の中で、三善先生の書かれた音楽のリズムやメロディーは(ピアノパートすらも)日本語の語感と響きにぴったりと寄り添ったものになっています。
たとえば、1曲目「風が耳うちしにおりてきた」って部分を見てみましょう。
これを話すとき、日本人なら、自然に「耳うち」の部分は早く話す。「かーぜーがーみーみーうーちー」と、同じ長さ同じ強さで話す人はいませんよね?
ごくごく自然に、「風が、(てん・・・これが大事!)耳打ち」も、「タンタンタ(ン)タタタタ)というリズムになります。
「あっちだよ こっちだよ」という部分もそうです。日本語が母国語の私たちは、自然に言葉の間を取るし、子供なら「あっちだ「よぉー」」と自然に伸ばす。そういう語り口が強く生かされているんです。リズムは「タンタタターン」で、小さい「っ」や、子供が「よー」って伸ばすさまが表現されています。
5曲目の「もういいかい もういいよ」や「どんぐり」という言葉も同じなのですが、しかし、こちらは、もっと音楽的に重要な役割を持っています。
すこしずつ音形を変えながら、繰り返されて効果が発揮されるように置かれているのです。
聴きどころとしては、何よりまずは、女声がアカペラではいる最初の「どんぐりのあたまは なぜとがっている~」という部分です。
自然なそのメロディーが、その後の部分で、どんな風に変わりながら力強く変化していくか、楽しみに聞いてください!
(音楽的には動機の展開と言ったりします。これが、すごく巧みなんです!)
変拍子が沢山出てくるのも、日本語のリズム、間を尊重したからです。
たとえば、2曲目で使われる語、「ほら貝」。
「ほら貝は」と語れば、5拍子になるのは自然ですよね。
奇数拍子が組み合わされているのは、メロディー的、音楽的な面白さ、というよりも、
自然な日本語の語感が基本にあるのが、この作品の特徴なんです。
だから、もし、演奏を聴いていてぎこちなく聞こえるところがあるなら、それは合唱(歌)だけじゃなく、あまり日本語が上手くないからということになってしまいます。。。
う~ん
果たして、CAの演奏は如何に?
(つづく)