皆さんこんにちは。
1月28日、29日に行われたMonthly Concertのレポートをさせていただきます。
入団2年目アルト A田です。
今回のMonthly Concert、指揮をしていただくのはお馴染み、谷郁さん。
伴奏はピアノに谷本喜基さん、ハルモニウムを佐藤琢哉さん。
外部からのお客様は、17名もの方にお越しいただきました。
今回取り上げたのは、ロッシーニ作曲「小荘厳ミサ曲」。
正直、ロッシーニと言えばオペラや声楽曲のイメージで器楽と合唱の宗教曲ってどんな感じ?というのが最初の印象でした。
少し調べてみると、ロッシーニの晩年に作曲されたこの曲は、「これを書いたから、神様!俺を天国にちゃんと入れてくださいね!」という気持ちだったとか・・・
「小」と付いているのに、なんと184ページもある。どういうことやねん!?と皆が一様に思ったわけですが、「4人のソリストと8人の声楽アンサンブルのための」という意味合いで「小」が付いているそうで。
そっちか・・・!とやはり一様に思いましたね(笑)。
もう少し曲のことを書きますと、このミサ曲全14曲にはソロ4曲、2重唱1曲、3重唱1曲に、器楽ソロまであり、曲調も大変バラエティに富んでいて、全部演奏すると1時間半ほどの大曲ですが、全く退屈させない、さすがロッシーニのフルコース料理!という構成になっております。
あれは12月の初旬、ソロ・ソリの発表があり、おもむろに団内がざわつきだしました。
それぞれ、重唱を担うメンバーはラインワークスにグループを作成し、年末の慌ただしい日々のなか、今日はこちらのグループ、今日はこちらと、アンサンブルの練習を始めた報告がタイムラインを飾り始め。
大変だ、うちもやらないと!と焦ったり、互いに牽制しあったり(?)刺激を受けあって。
普段と少し違う課題に向き合って、一人一人が学ぶことの多い機会となり、もっともっと!と当日まで練習を重ねて臨みました。
当日までに、1月に入ってからは谷さんによる2回の通常練習(毎週水曜、巣鴨教会にて)で、主にコーラス部分の指導を受けました。
曲のトーン、輪郭がおぼろげに見えてはきましたが、まだここにソロや伴奏陣が加わってどうなるのか、全貌は見えず。緊張とともにワクワクがどんどん高まって、迎えた28日(土)。
朝10時~、お昼休憩を挟んで16時頃まで。
曲中の重唱も含みながらのコーラス部分練習がこの日の主な内容になります。
練習したことを存分に発揮できたりできなかったり、緊張の面持ちのソリストたち。
合唱は長い長いフーガに苦しみながらも、だんだんテンポを上げられるようになってくると、おやっ楽しくなってきたぞ!?ランナーズハイでしょうか(笑)
とにかく、ロッシーニが書いた個性豊かな曲の形、伴奏の形の面白いこと素敵なこと。歌っていてとても楽しいのです。
外部のお客様の助けもたくさん感じました。しっかり音とり準備をして臨んでくださったことが伝わります。一つの音楽を一緒に作っていく喜びを感じつつ。
谷さんのご指導はとても分かりやすく、シンプルでかつ無駄のないもので、あっという間に魔法のように曲の形を見えるようにしていってくださいます。
☆1日目の集合写真です☆
29日(日)2日目も朝10時からスタート。
前日にやり残した部分を練習し、舞台に上がったり下りたり、ソリストの出入りなどを和やかに確認したら、あっという間に午後2時半から本番スタートです!!!いよいよです!!!
☆本番前の舞台リハ☆
谷本さんの素晴らしいピアノ伴奏に導かれながら、この段階ではもうしっかりと1曲1曲の手触りは分かっていて、佐藤さんのハルモニウムと歌い手の3者のアンサンブルを心地よく感じながら歌い進めます。
まだ全容を見られていなかったソロの楽曲も次々と聴けて、それぞれの思い、音楽が聴こえてきて一気に気持ちが昂ります。
前半、ソロや3重唱2重唱そして前半のコーラスのクライマックス、Cum Sancto Spirituのフーガを終えてインターバル。
5分間の休憩を挟みます。
後半はクレドから。
クレドのなんとも印象的な前奏から、安定感抜群の4重唱で始まり。
ソプラノソロとハルモニウムのアンサンブルがエレガントな印象のCrucifixus。
ハルモニウムはこの曲中では、まさに天国のような安らぎの音色で、今回、キーボードでの演奏、スピーカーを通しての音響で難しいこともおありであったでしょうに、とても素敵な音色と和音の広がりを感じられる演奏をしていただきました。
特筆すべきは、谷本さんのピアノソロ、Preludio religioso。
まるでグールドのゴルドベルクのようでした。素晴らしい集中力の求心力の高まる音楽にどこか別の次元の音楽に連れていかれたよう。
そこからほんの数小節のハルモニウムの旋律がさらに空間を浄化し、続くSanctusは4重唱と合唱で無伴奏の音楽。
ソプラノソロが続き、終曲は珍しいアルトソロで、その頃には谷さんの指揮も熱い表情になり合唱もそれに熱く応えます!
☆ソロ・重唱の続く3~6曲目は客席で☆
気づいてみればあっという間の90分。
ピアノとハルモニウムの後奏、最後の音を聴いた瞬間、なんだかとてつもない仕事を成し遂げたような満足感、高揚感に包まれました!!!
私はこの小荘厳ミサ曲、ソロ・ソリの練習に始まり、一人一人が音楽を持ち寄り、合唱と伴奏陣とが持ち寄った音楽を指揮者が見事な手腕で一つのものに組み合わせ出来上がった、壮麗な美しい聖堂のような建築物のようにも感じました。
聴いているお客さんは誰一人いない、自分たちだけのための2日間の、とても豪華なロッシーニ。
素晴らしい体験をさせていただきました。
ご指導いただいた、谷さん、長い時間のお付き合いをいただいた谷本さん、佐藤さん、この道楽にお付き合いいただいた外部からの参加者の皆様に心よりお礼申し上げます。
本当にありがとうございました。
☆本番直後の達成感とともに☆
※撮影時のみマスクを外しております。